営業のノルマがきつい…
営業職はノルマがつきもの。
週次、月次で決められた目標に向けて走り続け、達成したと思ったら次の目標が設定されます。
そしてそのノルマ達成のプレッシャーは、時には重くのしかかり、時には大きなストレスに…。
営業職を辞めたい…
なんて思うこともあるのではないでしょうか。
しかし、一度営業職としてキャリアをスタートした手前、このスキル経験をリセットするのは惜しいもの。
ノルマのない営業なんてあり得ない?
と思いつつ、少しでもプレッシャーを感じにくい営業職はないものでしょうか。
この記事では、現役SIer勤務の筆者が下記について解説します。
- 営業ノルマがある背景や構造
- 比較的プレッシャーを感じにくい業界
- SIer業界の営業スタイル
営業ノルマなしはありえない?
営業にノルマがある理由と影響
営業のノルマは、企業が目標を達成するための手段です。
- 企業が来年度どれだけの売上を上げたいか目標設定する
- それを達成するために必要な売上数字が、個々の営業のノルマになる
という順番です。
それぞれの営業がノルマを達成すると、企業の目標も達成されるという運命共同体的な関係。
営業パーソンからすると、ノルマには良い影響・悪い影響の両面があると言えます。
ノルマを達成することは、営業にも企業にも重要。
営業パーソンにとっては、ノルマ達成は自分の実力を示す証明になります。
そして良い評価や昇進、ボーナスにつながる可能性があります。
つまりノルマは、
- 営業活動に対するモチベーションになる
- 自らの活動や貢献を定量的に評価できる
ものとして、良い手段と言えます。
その一方で、ノルマ達成に比重を置きすぎてしまうと、営業パーソンや組織を疲弊させてしまいます。
特に管理職にとっては、チームのノルマ達成・未達成が自身の昇進や処遇に直接的に影響。
そのため、配下の営業パーソンに過度なプレッシャーを与えてしまうことがあります。
ノルマは、営業の仕事を効果的に進めるためには重要ですが、同時に営業パーソンの心とキャリアに大きな影響を与えるもの。
- ノルマのプレッシャーをどう管理するか
- そしてキャリアをどう築いていくか
というのは、営業パーソンにとっては大きな課題となります。
ノルマ達成を重要視しすぎている組織は要注意…!
営業ノルマなしはありえない?
ノルマが厳しい企業・緩い企業
世の中には、厳しくノルマを管理される企業と、そうでない企業があります。
精神的なプレッシャーから解放されるためには、ノルマが比較的緩い営業職で働くことに尽きます。
ノルマが厳しい企業・緩い企業の違いは、大きく分けて下記の5点です。
- 競争環境
- 企業業績
- 製品/サービスのニーズ
- 営業サイクル
- 顧客との関係性
それぞれついて見ていきましょう。
業界の競争が激しいほど、市場での立ち位置を保つために高いノルマが設定される傾向があります。
例えば、競合が多い業界では価格勝負なり、薄利多売になりがちです。
そうすると、必要な利益を確保するのに人並み以上の売上を上げる必要があり、ノルマが高く、厳しくなります。
逆に、市場の参入障壁が高く、新規のプレイヤーが参入しにくい業界では、顧客企業側から見た選択肢が少ないため、営業が営業をしなくとも、先方から案件の相談が来るということも普通にあります。
結果的に、営業ノルマは達成されやすく、精神的なプレッシャーを感じることは少ないです。
企業の業績が厳しい場合、売上を増加させるために高いノルマを設定することがあります。
そして、それが企業の実力と見合わない高い目標である場合、現場の営業パーソンは疲弊します。
また、業績が悪いと現場の雰囲気も暗くなり、精神的なプレッシャーは増すばかりです。
業績好調の企業を選ぶことで、無理難題を強いられる可能性はグッと減ります。
販売する製品/サービスがニーズかあるかどうかということは、営業へもたらす影響が大きいです。
いくら自分が頑張っても、商品自体のニーズに欠けている場合、ノルマ達成は難しいです。
逆に、市場での需要が高い製品やサービスは、ノルマ達成が比較的容易と言えます。
また、自社製品を売るための研修体系や方法論が営業組織として確立している可能性が高いです。
根性論ではない体系的な営業活動を学べ、成長できる環境である可能性が高いです。
前述したように、営業せずとも顧客側から問い合わせがくる場合もあります。
営業サイクルが短い業界では、日次・週次などの短いペースでのノルマを課される可能性が高いです。
例えば、
- 毎日〇〇人に電話をかける
- 週〇〇円の売上を上げる
などといったノルマを設定され、日次で達成状況の報告が必要などといったパターンです。
個人向けなど、一度や数回の商談で顧客がすぐに意思決定をできてしまう場合に多いです。
一方、予算目標が四半期・半期スパンなど、比較的長いスパンで設定される営業組織においては、日次・週次などで細かく管理されることはほぼありません。
特に法人向け、かつ大きい金額を扱う営業では、この傾向が高いです。
顧客も組織として予算取りや意思決定をするので、相応の時間がかかります。
この場合、営業ノルマの精神的なプレッシャーからは比較的解放されやすいです。
企業の中には、数十年来などかなり長期のスパンに渡り顧客との取引が継続しているケースがあります。
そのような企業の営業職になった場合、その信頼関係をベースに営業活動をすることができます。
いわゆる、法人のルート営業というやつです。
そういった場合、ノルマありきの強引な営業をしたところで、顧客との関係性を損ねるので逆効果。
上司も「顧客との長期的な関係性構築」が重要とよく理解しているため、足元のノルマ達成の優先度が相対的に低くなるでしょう。
営業ノルマなしはありえない?
営業ノルマが緩い業界
一般的に、営業ノルマの緩い営業としては、下記が挙げられています。
営業が比較的楽な業界
①メーカー(化学・食品・自動車など)
【化学】
旭化成、大陽日酸、三菱ケミカル、三井化学、住友化学、北越化学工業、東ソー、昭和電工、宇部興産、日立化成、カネか、クラレ等
【食品】
味の素、キッコーマン、明治、森永、キューピー、ヤクルト、カルピス、江崎グリコ、日清オイリオなど
【自動車】
トヨタ自動車、ホンダ、日産、マツダ、スズキなど
②インフラ(電気・ガス)
東京ガス、大阪ガス 、東邦ガス、西部ガス、静岡ガスなど引用元:職プラ
③IT業界
NTT系列、KDDI系列、富士通系列、NEC系列、パナソニック系列など
比較的業界のプレイヤーが限られている、法人向けの営業であることが分かります。
今回は、実際に私たちが働く③IT業界(SIer業界)の営業にフォーカスして紹介します。
営業ノルマなしはありえない?
SIer業界(IT業界)とは
SIer(エスアイアー)とは、System Integrater(システムインテグレーター)の略称です。
顧客企業のシステム開発や保守・運用を受託することを生業としています。
顧客側のシステム開発ニーズに対して、それを実現するための人手を提供し、コンサルや設計、開発、運用などを行います。
例えば、勤怠管理システムを開発したい!という顧客がいる場合、勤怠管理システムにノウハウのあるエンジニアをアサインすることでシステム開発を支援します。
SIer業界についてもっと知りたい方は、下記をご覧ください。
最近話題のsananやSalesforceといった自社製品をクラウドで提供する会社はSaaSと呼ばれ、SIerとは違う業態です。
SIer業界の方がノルマは緩いですので、今回はIT業界の中でもSIer業界に絞って解説します。
営業ノルマなしはありえない?
SIer営業のノルマが緩い理由
前述したノルマが厳しい企業・緩い企業の違いに照らし合わせると、SIerは全て「緩い企業」の特徴を持っています。
特に、SIer業界の特徴とも言える下記ハイライトの3点について詳しく説明します。
- 競争環境
- 企業業績
- 製品/サービスのニーズ
- 営業サイクル
- 顧客との関係性
SIerは、競合企業は多くいますが、分野・システムごとに見ると、新規参入障壁が比較的高い業界です。
高い理由は2点あります。
SIerは顧客企業のシステム開発を行うので、顧客企業のシステムに関する理解が不可欠です。
一般的なシステム開発知識はあったとしても
- 顧客業務
- 顧客企業のどこにどんなシステムが入っているか
- それらのシステムの仕様
といった知識がないと太刀打ちできません。
大企業になればなるほど、数多のシステムが複雑に絡み合って業務が成り立っています。
そして、顧客企業のシステム構成は内部情報のため、取引をしない限り知り得ない情報です。
結果的に、新規参入の障壁は高く、既存取引があるSIerに継続して仕事が発生する構図になっています。
提案する“当社のシステム開発実績はあるか”は必ず聞かれます
SIerが主に扱う基幹システムの多くは、企業が企業活動を行う上で心臓部となるシステムです。
そのような大事なシステムの開発を委託するので、信頼性がないと任せてもらえません。
システムバグにより業務が継続できないとなると、最悪、行政処分となるリスクもあります。
このような背景も、既存取引のあるSIerが優位で、新規参入障壁が高い一員です。
昨今のDXの波に乗り、企業のシステム開発需要は非常に旺盛。
また、日本は少子高齢化の流れの中、システム投資により企業活動を効率化する必要あり、今後、そのニーズは益々増える見込みです。
パーソルの調査によると、2030年には年間79万人ものIT人材が不足すると言われています。
経済産業省によるIT人材数の推計では、IT関連産業への入職者は2019年をピークに減少し、2030年には最大約79万人もの人材が不足すると予測されています。さらにIT人材の平均年齢も高齢化が予測されており、ITニーズの増加に伴う需給ギャップの拡大も大きな懸念材料です。
引用元:PERSOL
その流れに乗り、SIer各社の業績はここ5年ほど継続して絶好調。
業界ごと調子が良いということは、個々の営業パーソンの努力ではなく、そもそもの顧客ニーズが高いということです。
顧客に必要とされており、売上が好調に推移しています。
売上が好調ゆえに、給料も増加傾向。
SIer営業の筆者の年収は、下記でまとめています。
もちろん、営業たるものノルマ達成を目指すのはもちろんのことですが、不必要にプレッシャーを感じるリスクは低いです。
SIerが扱う基幹系システムは比較的大規模なので、扱う金額も大きく、数千万〜数億円規模の案件になります。
金額が大きいと、顧客の現場担当者だけで投資判断はできず、顧客の部署・部門として検討・判断をすることになります。
そうすると、一つの案件に対してのセールス期間が数ヶ月から半年、長いと1年などに及ぶこともザラにあります。
商談が1ヶ月以内に終わることは、ほぼないです!
このような環境下なので、多くのSIerでは、営業予算は半期毎に設定されます。
月次でノルマを管理されることもなければ、週次で管理されることもないです。
今月中に、もしくは今週中に売上をあげてこい!というのが、物理的に無理だからです。
SIer内部の人間であればそういった事情は漏れなく知っているはずなので、期末の無理な追い込みも限定的です。
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営業ノルマなしはありえない?
まとめ
今回は営業のノルマについてまとめました。
営業のノルマは、ビジネスにおいて有効な手段です。
しかし、ノルマ達成ばかりを重要視しすぎると、営業パーソンに必要以上のプレッシャー・ストレスを与えるものともなり得ます。
SIer業界をはじめとし、世の中にはノルマが緩い業界もあるので、自分に合った企業で働くことオススメします。
最後までお読みいただきありがとうございました。