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【NEC(日本電気)の将来性】中計から読み解く4つの注力事業!強みを活かしつつ新たな収益柱の創出を目指す

NECの将来性

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NECの将来性は…?

NECはパソコンなどのハードウェアや通信インフラに始まり、システム開発事業など幅広く手がける日本の大企業。

直近は特にシステム開発やテクノロジー領域に注力しており、SIerとしての色を益々強めています。


SIerへの就職、転職を考えている方は、一度は検討する企業だと思います。

そんなNECですが、今後の5年、10年と見たときに将来性はあるのでしょうか?

この記事の内容

SIer歴5年超の夫婦が、NECの中期経営計画などをもとに、今後の注目取り組みをまとめました。

  • デジタルガバメント/デジタルファイナンス事業
  • グローバル5G事業
  • コアDX事業
  • 新たな収益柱の創出
この記事を書いた人 キャリア夫婦
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NECの将来性:
会社概要

企業概要

NECは、1899年に設立された日本を代表する老舗IT企業。

もともとは通信機器メーカーとしてスタートしたNECですが、現在では、システム開発・コンサルティング分野で業界リーダーとなっています。

実際に、2022年度決算では、売上の半分近くをシステム開発を中心としたITソリューション事業で稼ぎました。

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SIer売上高ランキングでは、富士通続き、NECが2位。


特に、大手SIerならではの要員調達力やテクノロジーで、

  • 政府
  • 民間企業向け

などの大規模システム開発や運用支援で強みを持っています。

また、住友系企業として、三井住友フィナンシャルグループなどのシステム開発も基幹事業の一つです。


先端テクノロジーでも強みがあり、一例として生体認証が挙げられます。

自社開発の生体認証ソリューション「Bio-IDiom」は、約70の国と地域で1,000以上で利用されています。

国内の代表的なところでは、成田空港の顔認証での搭乗手続き「Fast Express」でも利用されています。


また、2022年度決算における海外売上比率は27.0%で、日本だけでなく世界に向けてITソリューションを提供しています。

業績推移

売上高
(百万円)
税引前損益
(百万円)
2022年度3,313,018167,671
2021年度3,014,095144,436
2020年度2,994,023157,831
2019年度3,095,234123,969
2018年度2,913,44677,308
直近5年の連結業績

直近5年は緩やかながら右肩あがりの売上推移です。

2023年度は全セグメントで増収、特にDXの波に乗りITサービス事業が好調でした。

NECの将来性:
NEC 2030VISION

NEC 2030VISION

NECの将来性を考えるために、まずはNECの長期ビジョン「NEC2030VISION」を見ていきましょう。


NECのパーパスは下記の通り。

NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。

引用元:NEC HP

その中で、NEC VISION2030では、生活者を取り巻く環境を

  • 「環境」
  • 「社会」
  • 「暮らし」

の3つ階層で捉え、目指す社会像を定義しています。

上記のような社会課題の解決について、NECが「目指す社会像」を提示し、外部事業者などと協業する中でその実現をリードする決意が示されています。

NECの将来性:
中期経営計画2025 注目の取り組み4選

2021年5月のNEC VISION2030発表と同時に、2022年-2025年の中期経営計画が公開されました。

NEC VISION2030に紐づいた形で、NECとしてチャレンジする領域・方針が示されています。


具体的には、

  • デジタルガバメント/デジタルファイナンス
  • グローバル5G
  • コアDX

などを「成長事業」と定め、加速度的なビジネスの伸長を狙います。

売上目標(定量目標)

2020年度
実績
2025年度
目標
成長率
売上収益29,94035,0003.20%
営業利益1,7823,0008.60%
営業利益率6.00%8.60%
売上収益に占める
成長事業比率
12.70%32.90%
売上目標

中期経営計画における売上収益、営業利益などの定量目標は下記です。

成長事業を加速し、2025年度は売上高に占める割合を32.9%にまで増やす計画です。

成長事業の加速度的な成長が、売上・収益両面に大きく貢献する計画です。

それでは、NECが今後の成長ドライバーとする「成長事業」を解説します。

成長事業①デジタルガバメント/ファイナンス事業

NEC中期経営計画

NECは、デジタルガバメント/デジタルファイナンス領域でグローバルトップクラスのVertical SaaSベンダになることを掲げています。

DG/DF領域のVirtical SaaSベンダとは

Verticalとは“垂直”を表す言葉で、Vertical Saasとは業界に最適化されたSaasソリューションを指します。

デジタルガバメント/デジタルファイナンス(DG/DF)とは、行政や金融をITの力で効率化・高度化することです。

つまり、行政や金融領域において、トップクラスのSaasベンダーになるという戦略です。

上記の達成に向け、前中計期間に欧州で関連サービスを提供する3社を買収しました。

  • 買収した欧州3社のアセット(ソフトウェア、Saasプラットフォーム)
  • NECのアセット(技術(生体認証/AI)、エンジニアリング力)

を掛け合わせ、独自のソリューション提供を目指します。


一例として、金融資産管理ソフトウェアのトッププロバイダーであるスイスのAvaloq社を買収しました。

NECの生体認証やエンジニア力などを活かしたSaasプラットフォームを開発し、金融機関や政府機関に提供するなどが考えられます。

成長事業②グローバル5G事業

NEC中期経営計画

グローバル5G事業は、主に次世代の通信インフラを開発、提供するセグメントです。

その中で、NECは2030年にOpen-RAN市場でグローバルシェア20%を獲得しトップポジションを目指します

NECのOpen-RANの取り組み

NECは前中計期間に、楽天・NTTとOpen-RANに関して戦略提携を発表。

それに基づき、NECは楽天が手掛ける仮想基地局への技術提供やシステムインテグレーションを提供しています。

楽天は「楽天シンフォニー」と冠して、仮想基地局をクラウド経由で外部事業者へ販売するビジネスを展開しています。

現在は仮想基地局を建てるための設備投資に多額費用がかかっていますが、実は2021年8月のサービス開始以来、500億円以上を売上、今後の見込み案件も既に5,000億円以上あるそうです。

基地局インフラの次世代技術として特に海外から大きな注目が集まっています。

このような通信領域の最先端に、NECの技術やエンジニアリング力が活用されています。

その他、主に法人向けに専用の5Gネットワークを提供する「プライベート5G」などの領域でも拡大を狙います。

NECが、グローバル5G事業で2025年まで年平均35%のスタートアップ並の高成長を計画しており、その旺盛な需要が伺えます。

成長事業③コアDX事業

国内IT事業の成長、および収益性改善のために、下記の4つをコアDX事業と位置付け実行します。

コアDX事業
  1. コンサルからITデリバリーまでを一体化
    過去に買収したアビームコンサルティングの国内5000人規模のコンサルティング集団の強みを活用。
    NECのエンジニアリング力と組み合わせることで、顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に支援します。
  2. ICT共通基盤技術の活用
    ICT共通基盤の技術の拡充・整備とオファリングの標準化による売上総利益の改善と価格競争力の強化を目指します。
  3. クラウド/DC/オンプレの最適化
    クラウド、DC、オンプレを最適に組み合わせることで、お客様毎のニーズにあわせた最適なハイブリッドIT環境を実現します。
  4. 社会そのもののDX変革のリード
    デジタル庁創設に伴う国内の行政DX化、スーパーシティ建設、インフラ協調型モビリティなど社会変革を後押しするフラッグシッププロジェクトを、NEC自身が政策連動をし、実装力を生かしてリードしていきます。

成長事業④新たな収益柱の創出

NEC中期経営計画

中期経営計画では、上記の成長事業への注力に加え、環境・社会・暮らしを改善する新事業創出を謳っています。

NECが持つ先端技術や、前中計期間で設立したNEC Xやdotdataといったリソースを活用し、2025年のその先、2030年のビジョン達成に貢献する成長ドライバーの構築を目指します。

具体的には下記2つの事業です。

ヘルスケア・ライフサイエンス事業

NEC中期経営計画

世界的に寿命が伸びる中、ヘルスケア・ライフサイエンスはGAFAMなどもこぞって参入する注目の領域です。

NECもこのニーズを取り込み、成長ドライバーとすることを目指します。

具体的には下記3領域を中心に取り組みをしています。

  • メディカルケア:内視鏡画像解析AI、電子カルテ
  • ライフスタイルサポート:歩容状態チェック、健康状態可視化
  • ライフサイエンス:ワクチン治験、AI創薬

2030年度にヘルスケア・ライフサイエンス領域で5,000億円もの事業価値の創出を目指します

既に、治療ワクチンなどの領域で事例が発表されています。

本共同研究では、感染症を重点疾患領域とする塩野義製薬の創薬力と、NECグループの得意とするAI技術の強みを融合し、B型肝炎の新たな治療選択肢となる治療ワクチンを早期に創出し、患者さまにお届けできるよう努めてまいります。

引用元:NECプレスリリース

カーボンニュートラル事業

NEC中期経営計画

環境意識への高まりから、脱炭素も社会的な潮流の一つです。

NECはカーボンニュートラル領域で、下記などといった脱炭素ソリューションの提供を行っています。

  • GreenGlobeX
    再生可能エネルギーから生まれる余剰電力を市場でマッチングし効率・最適化を実現します。
  • NEC Energy Resource Aggregation
    蓄電池や太陽光発電設備などのエネルギー設備をAIで制御・最適化するソリューションです。

このような取り組みを更に進化させ、自社の成長と脱炭素社会への貢献を目指します。

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まとめ

今回はNECの将来性に関わる注目の取り組みを、中期経営計画などからまとめました。

この記事のまとめ

NECは2030年に向けた「目指すべき社会像」を定義し、社会課題の解決と自社の成長の両立を図っています。

また、デジタルガバメントやグローバル5G事業など、私たちの身近なところでNECの技術が活用されようとしています。

今回紹介した成長事業が成長軌道に乗れば、まさにNECの将来性は明るいと言えるでしょう。

なお、この記事の内容はNECの取り組みのほんの一例なので、もっと知りたい方はNECのHPやIR資料などをご確認ください。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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