日立製作所の将来性は?
日立製作所はSIer業界の最大手。
SIerへの転職を考える方は、一度は日立製作所を検討するのではないでしょうか。
Global LogicやABBといった海外での巨額買収など話題に事欠きませんが、将来性はあるのでしょうか。
SIer勤務5年の夫婦が、日立製作所の将来性を
- テクノロジー
- グローバル
- 事業構造の変革
の観点からまとめました。
日立製作所の将来性:
日立製作所とは
日立製作所は、1920年創業の日本の老舗企業です。
2024年度の売上見込みは約10兆円と、日本企業の中で10番目ほどの規模です。
主に下記の4つの事業を展開しています。
- デジタルシステム&サービス
顧客のDXを支援するITソリューションやコンサルティングを提供 - グリーンエナジー&モビリティ
顧客のエネルギー供給の最適化やCO2削減を支援するソリューションを提供 - コテクティブインダストリーズ
ビルや家電、半導体などモノづくりに関するソリューションを提供 - オートモーティブシステム
車載システムや自動運転システムなど、自動車業界向けのソリューションを提供
上記のように様々な事業を行っていますが、昨今はIT企業としての顔を強めています。
年度 | 売上収益(百万円) | 税引前当期利益(百万円) |
---|---|---|
2023年度 | 10,881,150 | 819,971 |
2022年度 | 10,264,602 | 839,333 |
2021年度 | 8,729,196 | 844,443 |
2020年度 | 8,767,263 | 180,268 |
2019年度 | 9,480,619 | 516,502 |
2023年の売上収益は10兆円で、日本企業で11番目を誇ります。
アメリカのテクノロジー企業「Global Logic」の買収により、2022年度以降の売上が跳ね上がっています。
IT企業(SIer)としては、NTTデータや富士通と並び国内最大級です。
そんな日立製作所の将来性について、下記の3つのキーワードでそれぞれ見ていきましょう。
- テクノロジー
- グローバル
- 事業構造の変革
日立製作所の将来性:
①テクノロジー
日立製作所は日本最大級の製造業でありながら、日本最大級のIT企業でもあります。
下記のようにリアルとバーチャル両方のエンジニリングに強みを持った世界でも数少ない企業です。
- 工場、鉄道、エネルギーといった設備の制御・運用技術といったリアルの世界のエンジニアリング技術
- コンピューティングやAI・セキュリティなどのテクノロジー技術
この両面の技術がある日立製作所の強みを活かして課題解決を行う、”LUMADA”という事業を展開しています。
例えば、デパートの顧客満足度を向上させるとなった場合、
- 店舗運営を効率化するシステムを導入する
- 顧客の行動をAIで分析する
- 館内のディスプレイで最適な広告を出す
などの施策が思い浮かびますが、それらを粒々で実施していては、なかなか期待する効果を得ることができません。
このような複雑性の高い問題解決のためには、リアルとバーチャルのデータを統合的に収集・分析することが重要です。
日立製作所はリアル・バーチャルどちらにも基盤がある強みを活かし、独自の付加価値を提供しています。
LUMADA事業の売上推移は、
- 2021年度:1兆3,780億円
- 2022年度:1兆9,600億円(前年比+42%)
- 2023年度:2兆2,800億円(前年比+16%)
と順調に売上を伸ばしています。
今後、製造業とIT企業の2つの顔を持つ、日立製作所ならではのソリューション提供で業績を伸ばすことが期待されます。
日立製作所の将来性:
②グローバル
国内経済は頭打ちな一方、世界経済はこれからも成長します。
日本企業が持続的に成長をするためには、海外の成長をいかに取り込めるかが肝です。
この点、日立製作所はSIerの中で最も海外進出が進んでおり、海外売上比率が最も高いです。
会社の方針として日本市場は維持、海外市場を伸長することで売上拡大を狙うと明言されています。
その証拠に、1999年度に29%だった海外売上比率が2021年度には59%に拡大。
現在では、社員の57%が外国人です。
2024年度には海外従業員比率を60%にする目標があります。
日立製作所は海外事業を強化するため、海外企業の買収を積極的に行っています。
その代表格が、2021年に買収した米シリコンバレーのIT企業「Global Logic」。
買収金額は日本円換算で約1兆円という、日立製作所史上でも過去最大の買収劇です。
Global Logicは、従業員2万人を超える世界的なIT企業で、
- 顧客体験のデザイン
- アジャイル開発
- DX推進
といった高付加価値なITソリューションに強みを持ちます。
日立製作所は、大企業の大きなシステムを堅実に、長い期間をかけて作るのが得意です。
一方で、LUMADA事業のようなDX推進では、顧客課題の深掘りとソリューションの実現を、トライアンドエラーを短期間で行う必要があります。
ここを補完するのが、Global Logicです。
日立製作所とGlobal Logicの下記のそれぞれの強みを活かして、LUMADA事業を加速します。
- 日立製作所の大企業としての信用力・リアル世界でのエンジニアリング技術
- Global Logicの実装力
また、世界展開しているGlobal Logicのリソースを使うことで、日本企業ながら世界照準で事業展開できる体制が整いました。
日立製作所の将来性:
③事業構造の変革
日立製作所は1910年に機械修理工場として創業して以来、家電やエレベータなどのモノづくりをメインとしてきました。
そこからIT事業にも参入し、現在はIT事業、特にLUMADA事業に注力する明確な方針を示しています。
実は、現在のLUMADA事業に注力できる体制を整えるまでには、経営陣の並々ならぬ努力がありました。
LUMADA事業を伸長する一方で、日立製作所はここ10年ほどで、収益性の低い事業を次々と売却してきたのです。
最大22社あった連結子会社は、現在11社にまで削減。
事業を徹底的に整理することで、LUMADA事業にヒトや資金を集中できる体制を整えたのです。
実は、これだけの大胆な事業整理をできたのは、ほぼ日立製作所だけです。
経営資源を集中するというのは、誰でも思いつく戦略ではあるものの、実行に移すのはかなり難易度高いのです。
大企業病になってしまう企業の多くは、非成長領域の事業も抱え続けることで肥大化してしまうのです。
特に、日立製作所ほど歴史ある大企業であればなおさらです。
過去に売却対象の会社を率いてきたOBや現役社員から反発を喰らうことは必至だからです。
それをやってのけるには経営陣の明確なビジョンと実行力が不可欠です。
そういった意味で、日立製作所は非常に決断力のある経営陣が舵取りをしていると言えます。
事業ポートフォリオを果敢に入れ替え、創業100年以上経っても成長を維持し続けているのです。
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日立製作所の将来性
まとめ
日立製作所の現状や今後について、テクノロジー・グローバル・事業構造の変革の3つの観点でまとめました。
日立製作所はLUMADA事業を軸に海外市場を狙っています。
その背景には、事業ポートフォリオの変革に関して経営陣の並々ならぬ努力がありました。
今後も選択と集中を続けることで、継続的な成長が期待できるのではないでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございました。